リポート・特集
REPORT: 2017年9月号特集◎検査の賢い減らし方
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特集◎検査の賢い減らし方《インタビュー》
無駄な検査をしないこともEBM
Choosing Wisely Japan 代表 小泉 俊三氏
2017/ 9/20
2011年に米国内科専門医認定機構(ABIM)の呼び掛けで始まった「Choosing Wisely(賢い選択を)」。不要な検査・治療リストを各学会に挙げてもらうこのキャンペーンは、欧州やアジアに広がり日本でも推進団体が立ち上がった。その代表を務める小泉氏に国内での意義や活動方針などを聞いた。(聞き…
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特集◎検査の賢い減らし方《実践編3》
検査は身体診察による診断の「答え合わせ」
島根大学医学部
2017/ 9/19
検査が過剰に行われる背景として、医師が診察を検査に頼り過ぎてしまう現状もある。検査結果として表れる数字や画像は異常か否かの線引きを容易にするが、目の前の患者に起きていることの説明にならない場合も多い。検査至上主義ともいわれるこの状況を改めるべく、医師として世に出る前の医学生か…
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特集◎検査の賢い減らし方《実践編2》
「あの医者は検査してくれない」にこう対処
太融寺町谷口医院(大阪市北区)
2017/ 9/18
「蕁麻疹の原因を知りたいからアレルギーの検査をしてほしい」「感染症の検査をしてくるよう保育園の先生に言われた」──。そんな要求を患者から突き付けられた経験がある医師は少なくないだろう。
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特集◎検査の賢い減らし方《実践編1》
オーダー時にアラートを出し無駄な検査を削減
大船中央病院(神奈川県鎌倉市)放射線科
2017/ 9/17
患者の利益に直結しない検査は避けるのが基本だ。中でも、外来患者では診療科横断的に検査の実施記録が共有されていないと、画像検査を無駄に繰り返し、患者に費用や時間の面で負担を強いるほか、被曝などによる患者のリスクを高めてしまう。画像検査の過剰な繰り返しを避けるため、電子カルテのシ…
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特集◎検査の賢い減らし方《ケース4》
激しい腰の痛みを訴える44歳男性にMRI検査を行う?
2017/ 9/16
腰痛は「国民病」とも呼ばれ、厚生労働省の国民生活基礎調査(2010年)によればいわゆる「腰痛持ち」は2800万人いるとされている。「腰が痛い」と訴えて受診する患者も少なくない。
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特集◎検査の賢い減らし方《ケース3》
ソファから落ちて頭をぶつけた男児に頭部CT?
2017/ 9/15
子どもが転倒し、壁や床に頭部を殴打することは日常起こりやすい事故。小児科や内科、救急外来では自分の状態を言葉で説明できない子どもを抱え、保護者が不安を募らせ駆け込んでくる場面によく遭遇するのではないだろうか。
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特集◎検査の賢い減らし方《ケース2》
慢性蕁麻疹の42歳男性に特異的IgE検査を実施?
2017/ 9/14
蕁麻疹は膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性で、限局性の浮腫が病的に出現するありふれた疾患であり、多くは痒みを伴う。
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特集◎検査の賢い減らし方《ケース1》
肺血栓塞栓症疑いの46歳女性に造影CTを行う?
2017/ 9/13
エコノミー症候群(急性肺血栓塞栓症)の重症例は死に至ることもあるため、一刻も早く診断を下し、抗凝固療法を始める必要がある。主な症状は胸痛や呼吸困難などで、この疾患に特異的なものがないため、感度・特異度が高い造影CTが急性肺血栓塞栓症診断の第一選択である。
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特集◎検査の賢い減らし方《Choosing Wiselyとは》
学会が「推奨しない検査」はコレ!
2017/ 9/12
米国発の「不要な検査・治療リストキャンペーン」が世界的広がりを見せている。その背景にあるのはアウトカム(診療の成果)に加え、検査・治療に伴う有害事象やコストを減らすことで、「高価値医療」を実現しようという新しい考え方だ。