2018年1月19日、爪白癬治療薬ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(商品名ネイリンカプセル100mg)の製造販売が承認された。適応として「皮膚糸状菌(トリコフィトン属)による爪白癬」、用法用量は「成人に1日1回100mgを12週間経口投与」となっている。

 爪白癬は、トリコフィトン属を主な原因菌とする爪の感染症で、爪の混濁、肥厚、変形、落屑といった外見上の変化のみならず、爪の肥厚に伴い靴を履くときの痛みや歩行困難等が出現するなど患者の肉体的・精神的な負担は大きい。また、治療が適切に行われない場合は、家族内感染を始めとする周囲への拡散の要因となっていることが問題となっている。
 
 日本において爪白癬治療薬は経口抗真菌薬のトリアゾール系薬イトラコナゾール(イトリゾール)とアリルアミン系薬テルビナフィン(ラミシール他)、外用製剤のトリアゾール系薬エフィナコナゾール(クレナフィン)やルリコナゾールの高濃度製剤(ルコナック)が使用可能となっている。

 現在、国内外のガイドラインにおいては、原則内服療法による治療が推奨されていが、既存の経口抗真菌薬では肝障害等の全身的副作用や薬物相互作用の点で課題があった。
 
 本薬の有効成分であるホスラブコナゾールはラブコナゾールのプロドラッグで、経口投与後速やかに吸収され、ラブコナゾールに変換される。ラブコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬であり、真菌細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を発揮する。

 日本国内で実施した爪白癬患者を対象とした1日1回12週間投与時の無作為化二重盲検群間比較試験では、プラセボ群との比較で有効性と安全性が確認された。さらに臨床試験ではγ−GTP増加など肝機能障害はあるが、非重篤であり転帰は全て回復と判断されているため、既存の薬剤より重篤な肝障害もなく、薬物相互作用を示す可能性が低いと考えられている。また、食事にかかわらず1日1回の投与が可能であることから、高い服薬アドヒアランスが得られると期待されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの国内臨床試験において副作用が23.8%認められていることに十分注意する必要がある。主なものとしてγ-GTP増加(15.8%)、ALT(GPT)増加(8.9%)、AST(GOT)増加(7.9%)、腹部不快感(4.0%)、血中ALP増加(2.0%)などであり、重大なものとして肝機能障害が報告されている。