2017年後半に、米国で革新的な医薬品の承認が相次いだ。リンパ球の1種であるT細胞の遺伝子を組み換えて、特定の抗原を細胞表面に有する癌細胞を攻撃するように設計したキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法がその一例。CD19という抗原を標的とするスイスNovartis社の「KYMRIAH」(tisagenlecleucel)が8月に小児および若年成人のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療薬として米食品医薬品局(FDA)に承認され、10月にはやはりCD19を標的とする米Gilead Sciences社の「Yescarta」(axicabtagene ciloleucel)が成人の大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療薬としてFDAに承認された。

 さらに12月には米国で初めてとなる遺伝子治療薬がFDAに承認されている。遺伝性網膜ジストロフィー治療薬である米Spark Therapeutics社の「Luxturna」(voretigene neparvovec-rzyl)がそれで、RPE65遺伝子の両アレル性変異を有する患者の網膜内に、アデノ随伴ウイルスをベクターとして用いて正常なRPE65遺伝子を単回投与し、視機能を回復させるものだ。

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