私がホスピス病棟に勤務し始めたころのことです。経過の長い癌終末期の男性患者と出会いました。病状が徐々に進み、痰の量が増え、呼吸状態が悪化したため、点滴の減量を娘さんに提案した結果、点滴を中止することになりました。その5日後、患者さんは他界されました。その臨終の場面で、「私が点滴を止めたために、父が亡くなった。私が父の命を縮めた」と、娘さんの涙が思い出されます。このように、癌終末期の点滴の是非については、その後のグリーフケアに影響を与える難しい問題であるといえます。

点滴してと願う妻、医師は約束だからと却下の画像

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